今日から実践、キッチン衛生。
レシピを通して注意ポイントを確認してみましょう。
キッチンを清潔に保つために、普段から気をつけていても、ふとしたことで細菌が増えてしまうことがあります。がんの治療中やご家族に高齢者や基礎疾患のある方がいるときは、特に感染症や食中毒には気を配りたいもの。衛生の基本と、見落としがちなポイントを整理してみましょう。
菌を「付けない」「増やさない」「やっつける」の三原則
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菌を付けない
細菌は目に見えませんが、いたるところにいます。
そして、その多くは無害ですが、一部に感染症や食中毒などを引き起こす有害な菌がいます。
まず大切なのは、調理器具や食材に菌を付けないこと。特に、生の肉や魚、卵を扱うときは注意しましょう。
こまめに手を洗い、調理器具を清潔に保ち、食材を扱う包丁やまな板は特によく洗って適切に消毒し、しっかりと乾燥させましょう。 -
菌を増やさない
菌の数が少ない場合は問題が起こらないこともありますが、増殖してしまうと、感染症、食中毒や腐敗の原因になります。
多くの細菌は温かく湿った環境で増殖します(乾燥したところ好む細菌も少なからずいます)。食材は冷蔵庫などの適切な温度で保管しましょう。
夏場は冷蔵庫内の温度も上がりがちなので、詰め込みすぎや、頻繁な開閉は避けてください。
カレーや煮物などを多めにつくった場合、その時に食べる分以外は長時間室温に放置せず、早めに冷却して冷蔵庫へ。食べるときにもう一度しっかりと加熱して早めに食べましょう。 -
菌をやっつける
菌を退治するもっとも手軽な方法は加熱です。肉、生食用ではない魚介類は、しっかりと火を通しましょう。使用した調理器具は、熱湯消毒に加えて、アルコールや漂白剤での消毒もおすすめします。
菌は乾燥に弱いので、洗った後や消毒した後は、しっかりと乾かしてください。
洗いにくい場所は、アルコールや塩素系漂白剤、次亜塩素酸ナトリウム溶液などで消毒するのも有効です。調理を始める前に調理台などをアルコール消毒することも効果的です。アルコールは75%以上の高濃度のものを使いましょう。また、寒い時期に注意したいノロウィルスは、アルコールでは殺菌効果がないため、予防には次亜塩素酸ナトリウム溶液での消毒がおすすめです。
キッチン衛生で見落としがちなポイントは
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調理中のスマートフォン
レシピを確認したり、ちょっとSNSを見たり、調理中にスマートフォンを触っていませんか。そのスマートフォンにも細菌がついています。
調理中に触った場合は、面倒ですがその都度、手を洗いましょう。
スマートフォンも時々、拭いておくとよいですね(メーカー推奨のお手入れ方法を確認してください)。 -
手で触るところに注意包丁や鍋類の柄、冷蔵庫や食器棚の取っ手、電子レンジのボタンなど、調理中に手で触る場所は要注意です。買物から帰宅して手を洗う前に冷蔵庫を開けてしまったこともありますよね。包丁、鍋、調理器具は、食器用洗剤などで丸ごとしっかりと洗い、キッチンの家電や収納などでよく手を触れるところは、こまめにアルコールを吹きかけたり、清潔な布巾などで拭いておきましょう。
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忘れがちなスポンジ
食器用スポンジを、シンクの回りに湿ったまま置いておくと菌が生き残ったり増えたりします。使い終わった後は、しっかりと洗って水をきり、乾燥させましょう。キッチン用の漂白剤で漂白するのもおすすめです。
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使用頻度が増えたエコバッグ
レジ袋の有料化で大活躍のエコバッグ、洗っていますか?
肉や惣菜からの汁もれや冷凍食品につく水滴などで菌が増殖したり、カビが生えてしまうことも。洗える素材のものを選んで、こまめに洗濯しましょう。
家族みんなができる正しい手洗い
衛生の基本は何と言っても手洗いです。
外出から帰ったら洗う、何かを触ったら洗う。石鹸を使ってしっかりと洗い、可能であれば2回洗うと良いでしょう。
感染対策の基本なので、テレビなどで紹介されることも多いですが、正しい手洗い方法を再確認しておきましょう。
石鹸を泡立て、手のひらだけでなく、手の甲、指の側面と付け根、手首、指先、爪の隙間も忘れずに。
腕時計は外して、指輪をしている方は、その周りを念入りに洗いましょう。すすいだあとは清潔な乾燥したタオルかペーパータオルで拭きます。手洗いした後のアルコール消毒も効果的です。
アルコールで消毒する場合は乾いた手にたっぷりと取って、まんべんなく擦り込み、自然乾燥させましょう。蒸発するときに効果を発揮するので、乾く前に拭くのはさけましょう。
キッチン衛生
カリカリ豚の香味ソース
栄養士コメント
豚肉を「カリカリ」になるまで焼いて、食感と香ばしさで食欲アップ。薄切りの肉だから火通りも早い時短レシピです。袋入の野菜は衛生面から一度さっと水を通して洗ってから使うと衛生的です。
栄養価(1人分)
エネルギー | 214 kcal |
たんぱく質 | 16.1 g |
脂質 | 13.6 g |
炭水化物 | 6.1 g |
食物繊維 | 1.9 g |
食塩相当量 | 1.1 g |
カリウム | 380 mg |
カルシウム | 25 mg |
マグネシウム | 32 mg |
リン | 169 mg |
鉄 | 0.6 mg |
亜鉛 | 1.6 mg |
ビタミンA | 8 µg |
ビタミンE | 0.4 mg |
ビタミンB1 | 0.54 mg |
ビタミンB2 | 0.18 mg |
ビタミンB6 | 0.31 mg |
ビタミンB12 | 0.2 µg |
葉酸 | 61 µg |
ビタミンC | 20 mg |
ビタミンD | 1 µg |
コレステロール | 43 mg |
材料(1人分)
使用量
豚肩ロース薄切り肉 | 70 g |
もやし | 100 g |
ぽん酢しょうゆ | 大さじ1(16.5 g) |
しょうが(すりおろし) | 少々(3 g) |
ねぎ(小口切り) | 1/5本分(20 g) |
小ねぎ(小口切り・あれば) | 少々(1 g) |
手順
- もやしは耐熱皿に広げてラップをかけ、電子レンジ(600W)で1分30秒~2分、加熱します。(加熱時間は1人分の目安。)
- 空のフライパンに、豚肉を広げて並べます。中火で加熱し、全体がカリッとするまでしっかり焼きます。
- 肉から出た余分な脂をペーパータオルで取り、一度火を止めます。しょうが、ねぎ、ぽん酢しょうゆを加えて、再び火をつけて弱火にし、全体を絡めます。
- 1のもやしの上に、3をのせます。小ねぎを振って完成です。もやしに味がないので、肉と一緒にいただきましょう。
レンジで作る 野菜のピクルス
栄養士コメント
材料を混ぜ合わせて、電子レンジで加熱するだけ。作り置きにすれば箸休めにも便利な一品。電子レンジの加熱も火を使う調理と同様の殺菌効果が期待できますが、火の通りにくい材料のときは時々材料を混ぜるなどして加熱ムラを少なくする工夫をするとよいでしょう。
栄養価(1人分)
エネルギー | 55 kcal |
たんぱく質 | 2.5 g |
脂質 | 0.3 g |
炭水化物 | 11.4 g |
食物繊維 | 2.8 g |
食塩相当量 | 0.5 g |
カリウム | 252 mg |
カルシウム | 22 mg |
マグネシウム | 17 mg |
リン | 52 mg |
鉄 | 0.6 mg |
亜鉛 | 0.4 mg |
ビタミンA | 64 µg |
ビタミンE | 2.6 mg |
ビタミンB1 | 0.09 mg |
ビタミンB2 | 0.15 mg |
ビタミンB6 | 0.26 mg |
ビタミンB12 | 0.0 µg |
葉酸 | 125 µg |
ビタミンC | 111 mg |
ビタミンD | 0.0 µg |
コレステロール | 0 mg |
材料(1人分)
使用量
ブロッコリー | 小房で3~4個分(50 g) |
赤パプリカ | 1/5個(30 g) |
酢 | 大さじ1と1/2(22.5 g) |
砂糖 | 大さじ2/3(6 g) |
塩 | 0.5 g |
水 | 大さじ1/2(7.5 g) |
赤とうがらし(あれば) | 少々(0.3 g) |
手順
- ブロッコリーは小房に分けます。パプリカは一口大の乱切りにします。
- 耐熱ボウルに調味料を入れて軽く混ぜます。1のブロッコリーとパプリカを入れて、さっと混ぜ合わせ、ラップをかけます。
- 電子レンジ(600W)で2分加熱します。全体を軽く混ぜ、粗熱が取れたら完成です。(加熱時間は1人分の目安。)
- 保存する際は、しっかり冷めたものを消毒した清潔な容器に移し、取り分ける際は清潔な箸などを用いましょう。また、なるべく早めに食べましょう。