高額療養費制度

1. 高額療養費制度とは

高額療養費制度とは、医療機関や薬局窓口で支払ったがんの治療費などが、ひと月(1日から月末)で上限額(自己負担限度額)を超えた場合、その超えた金額分が払い戻される制度です。自己負担限度額は年齢や所得によって異なります。

2. 利用できるケース

がんの治療費などでひと月の医療費の支払いが高額になり、上限額を超えた場合

※入院時の食事代や差額ベッド代は対象外です。

3. 受給資格がある方

国民健康保険、協会けんぽ、健康保険組合、共済組合などに加入している人

4. 払い戻し金額

自己負担限度額は年齢や所得によって異なります。
69歳以下の方の自己負担限度額(表1)

表1:厚生労働省 「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(平成30年8月診療分から)

  適用区分 ひと月の上限額(世代ごと)
年収約1,160万円~
健保:標報83万円以上
国保:旧ただし書き所得901万円超
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770~約1,160万円
健保:標報53万~79万円
国保:旧ただし書き所得600万~901万円
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370~約770万円
健保:標報28万~50万円
国保:旧ただし書き所得210万~600万円
80,100円+(医療費-267,000)×1%
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保:旧ただし書き所得210万円以下
57,600円
住民税非課税者 35,400円
【例】適用区分が「ウ」で、医療費自己負担が月30万円(医療費3割負担)の場合
【例】適用区分が「ウ」で、医療費自己負担が月30万円(医療費3割負担)の場合

70歳以上の方は全国健康保険協会「高額な医療費を支払ったとき」をご覧ください。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030/r150/

たとえば、50歳で年収500万円、窓口負担が3割の方の場合、適用区分は「ウ」になります。
がんの医療費がひと月に100万円かかり、窓口での支払いが3割の30万円とすると、

80,100円+(100万円-267,000円)×1%=87,430円

となり、治療費の自己負担限度額は87,430円になります。
よって、払い戻される金額は

30万円-87,430円=212,570円

になります。
年齢や保険種別などを入力すると、制度を利用できるかがチェックできる、
高額療養費かんたんチェックをご利用ください。

高額療養費かんたんチェック

https://www.az-oncology.jp/guide/check/index.html

5. 高額療養費制度で治療費の負担を軽減するしくみ

高額療養費制度には下記のような治療費の負担を軽減するしくみがあります。

世帯合算

本人がひと月に複数の医療機関を受診した場合、自己負担額を合算できます。
また、お一人で一回分の窓口負担では上限額を超えない場合でも、同一の健康保険に加入されている同世帯の方の自己負担額を合算することができます。
詳しくは「世帯・同一人合算が知りたい」をご覧ください。

多数回該当

過去12ヵ月で、高額療養費として払い戻しを受けた月が3月(3回)ある場合、4月(4回)目から、自己負担限度額がさらに引き下がります。

表2:厚生労働省 「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(平成30年8月診療分から)

  適用区分 本来の上限額 多数回該当
年収約1,160万円~ 252,600円+(医療費-842,000)×1% 140,100円
年収約770~約1,160万円 167,400円+(医療費-558,000)×1% 93,000円
年収約370~約770万円 80,100円+(医療費-267,000)×1% 44,400円
~年収約370万円 57,600円 44,400円
住民税非課税者 35,400円 24,600円

6. 受給期間

高額療養費は、保険医療機関等から保険者へ提出する診療報酬明細書の審査が必要なため、申請から受給まで少なくとも3ヵ月程度かかります。

7. 申請に必要なもの

  • 高額療養費支給申請書

    *各種窓口でご確認ください

  • 被保険者証
  • 医療機関への支払い済み領収書
  • 振込用口座番号
  • 印鑑

8. 申請窓口

健康保険組合・協会けんぽ・市町村の国民健康保険窓口・後期高齢者医療制度担当窓口・共済組合など