がん患者さんのためのお助けごはん
超簡単レシピと食事のヒント 口内炎編
食事から栄養を摂ることは、体を回復させるためのポイントのひとつといわれています。一方で、がん治療中に現れるさまざまな副作用で、食べるのが難しくなってしまうことも。
そんなときにも無理なく食べることができて、栄養が摂れるメニューを、国立がん研究センター中央病院 栄養管理室長 管理栄養士の土屋 勇人 先生と一緒に考えました。
ここでは、おうちにある食材、コンビニやスーパーで手に入るものを使った超簡単レシピ、外食するときのメニュー選びなどの食事のヒントをお伝えします。
あなたのお気に入りのお助けごはんを見つけてみてください。
今回のテーマは、がん治療中の副作用などでできることがある、痛くてつらい「口内炎」です。
1. 管理栄養士からの
アドバイス
「口内炎があるときに
食べやすい食事とは?」
口内炎ができたときは
- 飲み込みやすい…水分が多く、のど越しがいいもの、やわらかいもの
- 刺激が少ない…香辛料、強い塩味や酸味を使わないもの
- 適温…冷たすぎず、熱すぎない、体温に近い温度または常温に近いもの
これらの点に注意して食事を選ぶといいでしょう。
2. おうちで作る
「がん患者さんのための
お助けごはん」
口内炎の症状でつらいのは、「口の中が痛い」、そして「食べるとしみる」こと。そのため基本的に、食事は飲み込みやすく、刺激が少ない食材を選ぶことがポイントです。
おすすめしたい食材は「卵」と「豆腐」。どちらも「やわらかい」「飲み込みやすい」「塩味が薄い」ことが特長です。肉や魚に比べて味が淡白で、においも感じにくいので、食欲がないときでも取り入れやすいでしょう。
さらに、体内の筋肉や内臓をつくるのに欠かせないたんぱく質も摂れるので、少量しか食べられないときのお役立ち&お助け食品といえます。
食べやすくて、たんぱく質も摂れる!
簡単お助けごはん①「卵レシピ」
食べやすくて、たんぱく質も摂れる!
簡単お助けごはん②「豆腐レシピ」
3. 作らず頼る
「がん患者さんのための
お助けごはん」
ここからは、コンビニやスーパーで買えるおすすめの食材や、外食でも食べやすいメニュー選びのヒントをご紹介します。
コンビニ・スーパーで買って役立つお助け食品
おすすめ食品とポイント
- おかゆ:梅がゆは刺激になるので、白がゆ・卵がゆ・鮭がゆなどがおすすめ
- 卵豆腐、茶碗むし:豆腐と同じく、あまり噛まずに食べられるのでおすすめ
- 蒸しパン:パンの耳など硬い部分がなく、全体がふんわりしているので食べやすい
- ヨーグルト:なめらかな食感で食べやすく、のど越しもよい
- 経口補水飲料、スポーツドリンク:体に近い成分が含まれているので、果物ジュースなどに比べて患部がしみにくい
口内炎でも食べやすい外食メニュー
おすすめ食品とポイント
- サンドイッチ:具材はマヨネーズを使ったツナや卵、ポテトサラダなどなめらかな食感のものがおすすめ
- フレンチトースト:パンがやわらかく、刺激が少ない
- あんかけうどん、卵雑炊、月見うどん(ぶっかけ):やわらかく飲み込みやすい
まとめ
口内炎ができたときでも、刺激の少ないものや飲み込みやすい食べ物を選ぶことで、栄養をきちんと摂ることができます。色々試しながら、しみない食材、食べやすくなる方法を見つけていきましょう。簡単レシピもぜひ試してみてくださいね。
- 監修
- 国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院
栄養管理室長 管理栄養士 土屋 勇人 - 記事・レシピ協力
- おいしい健康
- イラスト
- USANET
- 掲載月
- 2022年8月
「生活のポイントとして口腔ケアと水分補給をきちんとすることも、口内炎を早く治す対処法として大切です」
(国立がん研究センター中央病院 栄養管理室長 管理栄養士 土屋 勇人 先生)