よくあるQ&A
診断・治療選択
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がんの疑いがあるといわれた場合、がん診療連携拠点病院などの医療機関を受診し、診察・検査、診断(告知)、治療選択・治療方針決定、治療開始の流れで進んでいきます。「いまとこれからがわかる、がん治療ナビ」ではがん治療の流れと、その時々でどのようなことをするのかをわかりやすく解説しています。最初に確認して、全体像を把握しておくのがおすすめです。また、それぞれの検査の目的や方法について知っておくと、安心して検査が受けられ、検査後の説明がより理解しやすくなるでしょう。
がん診療の流れを知るには
診断のためにおこなうさまざまな検査について知るには
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セカンドオピニオンを考えるタイミングの一つは治療法を考えるときです。主治医から説明されたことに加えて、もっとたくさんの情報が欲しいとき、主治医以外の医師にも聞いてみたいときに活用するとよいでしょう。最近ではオンラインセカンドオピニオンをおこなっている医療機関もあります。
セカンドオピニオンを活用する準備として、まずは主治医とも相談し、その意見・説明(ファーストオピニオン)を十分理解しておくことが大切です。
セカンドオピニオンを活用するためのコツを知る
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セカンドオピニオンの相談をすると、主治医が気分を害するのではないかと心配する患者さんもいらっしゃいますが、セカンドオピニオンは主治医の考えを否定するものではありません。自分自身が納得して治療を受けるためにセカンドオピニオンを活用したいということ、受けた後の結果を主治医に報告すること、この2点が主治医にうまくセカンドオピニオンについて伝え関係を良好に保つ上でのポイントです。自分が納得のいく、後悔のない治療選択をおこなうために遠慮することなく主治医に希望を伝えましょう。
セカンドオピニオンを活用するためのコツを知る
治療
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がんと診断された直後は、あまりのショックで主治医の話も耳に入ってこなかったり、周囲の人にも打ち明けられず自分1人がなぜがんになってしまったのか、と考えて引きこもってしまったりしてしまうのは当然のことです。ただ一刻も早い治療が必要なときには、気持ちがついてこない中で治療を始めざるを得ない場合もあります。どんな患者さんでも気持ちが上向いていくには“時間”が必要です。気持ちに余裕がなくなってしまう、自分1人だと悪いことばかり考えてしまってさらに落ち込んでしまう、という方もいらっしゃるかもしれません。
少しずつ、自分の気持ちをご家族や信頼できる友人、主治医、看護師、薬剤師、がん相談支援センターのスタッフ、同じ病気の仲間など、あなたが打ち明けやすい人に話してみるところから始めましょう。がん患者さんが陥りやすい思考、気持ちを楽にする方法を知る
がん治療に関わる人たちを知る
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がんは、臓器に発生する「固形がん」と血液に発生する「血液がん」の2つに大きく分けられます。がんの治療はがんの種類と進行度、年齢や性別、社会環境や患者さんご本人の希望などから総合的に判断して決定されます。
がんの治療法について知る
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アストラゼネカ株式会社では、それぞれのがん種ごとの治療や役立つ情報をまとめたウェブサイトをご用意しています。また、国立がん研究センターのがん情報サービスでも疾患や治療についての詳しい情報を得ることができます。
肺がん
乳がん
前立腺がん
卵巣がん
胆道がん
慢性リンパ性白血病(CLL)
様々ながん
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がんの治療を受けられる病院として、専門的ながん医療を提供するために人員や設備などの決められた条件を満たし、国が指定した「がん診療連携拠点病院」があります。その他にも都道府県が指定したがん病院(※がん支援病院、がん連携病院など都道府県によって名称が異なります)があります。これらの病院が自宅から通いにくい場合には、地域の病院で治療をおこなうこともあります。
がんの治療をおこなう病院を知る
がん診療連携拠点病院などを探す
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自宅からのアクセスがよい、「がん診療連携拠点病院」などをまずは検討してみましょう。「がん診療連携拠点病院」は、医師以外の医療スタッフの人員も十分で、設備などが一定の基準を満たしているものとして国から指定されていて、各都道府県にあります。
また、日本では標準療法(科学的根拠に基づいた観点で、効果があること、安全であることが検討された現在利用できる最良の治療で、ある状態の一般的な患者さんにおこなわれることが推奨されている治療)が全国どこでも等しく受けられるため、「がん診療連携拠点病院」間で治療レベルに大きな差はありません。
自宅から遠い施設を検討する場合には、体力や通院に要する時間の面も十分に考慮に入れる必要があります。
がん診療連携拠点病院などを探す
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治療法について主治医からの説明を十分に理解した上で、納得して治療を始めることが大切です。主治医が提案した治療法はあなたの身体や病気の状態をみてよく考えた上で提案されたものですが、あなた自身の希望や治療目標も主治医、医療スタッフ、家族によく伝えた上で治療を決めていきましょう。
治療法を決定する際に主治医から聞いておくべきことを知る
治療決定のためにやるべきことを知る
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自分に合ったがん治療を選択するためには、あなたが治療において何を重視したいのか、主治医や医療スタッフに伝えておくことが大切です。できる治療はなんでも挑戦したい、こんな副作用の可能性がある治療は避けたい、できるだけ入院せずに外来で治療をしたい。3ヵ月後の娘の結婚式に元気な姿で出席したい、といった具体的な希望もあるかもしれません。また、自分がどんな性格で、今までどんな人生を歩んできたのか、今大事にしていることは何か、がんを治療しながらも自分は何を大切にしていきたいか。そんなことをあらためて考えてみることが、あなたの治療への希望をみつける鍵になるかもしれません。一度書き出してみるのもおすすめです。
自分の価値観について考えてみる
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運動は、心と身体の両面からがんに向き合う力を向上させ、さまざまな効果をもたらします。主治医にどの程度身体を動かしてよいかを確認しながら、可能な範囲でご自身でも日常に運動を取り入れてみましょう。一般的に「がん治療中」という理由だけで運動を控える必要はありません。主治医の指示のもと、理学療法士や作業療法士などリハビリ専門の医療スタッフがおこなうがんリハビリテーションを受けるという選択肢もあります。がんリハビリテーションはがんの治療後に限らず、体力低下が気になるときなど、どんなときでも受けることが可能です。
がんリハビリテーションについて知る
肺がんのリハビリテーションについて知る
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サプリメントや健康食品、鍼灸など、通常のがん治療を補ったり、代わりにおこなったりする医療のことを「補完代替療法」といいます。これらの多くは治療効果や安全性を確認するための臨床試験がおこなわれていないのが現状です。科学的根拠をもって治療効果や安全性が確認されているか、治療法として国から認可が得られているか、それらの点も考慮に入れつつ情報を見極めながら検討する必要があります。
また、医療機関で行っている治療に影響を与える可能性もありますので、主治医には早めに相談するのが良いでしょう。
補完代替療法について知る
情報を見極める方法や、迷ったときの相談先を知る
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治験は新しい治療の有効性と安全性を確認し、厚生労働省から承認を得ることを目的としておこなう試験のことです。必ず理解しておくべき点としては、治験を実施している時点においては、効果と安全性が十分に検証された治療法ではない、ということがあります。治験を希望される患者さんは、まず主治医に相談し、十分に説明を受け、理解し納得した上で参加しましょう。
治験について知る
国内でおこなわれているがんの臨床試験を検索する
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がんと診断されたときから緩和ケアを実施し、心と身体の苦痛をやわらげることで、患者さんの生活の質が向上することがわかっています。痛みやつらさがある場合は我慢せず、主治医や医療スタッフに伝えましょう。
緩和ケア、緩和ケア病棟について知る
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要介護認定を受ければ、介護保険を使ってヘルパーさんによる訪問介護サービスを受けることができます。訪問介護サービスには、食事・入浴・排せつの介助などの身体介護や、掃除・洗濯・調理・買い物などの生活援助があります。まずはお住まいの市区町村の窓口で、詳しいサービスや申請方法について聞いてみましょう。
自宅(在宅療養)で関わる人たち、受けられるサービスを知る
介護保険について知る
副作用・後遺症
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副作用とうまく付き合う方法として、副作用を抑える「支持療法」があります。支持療法の進歩により、以前よりも薬物療法による副作用のつらさを感じるケースが少なくなったといわれています。患者さんご自身でおこなえるセルフケアも副作用を軽減する上で役に立ちますので、医療従事者に聞きながら、無理のない範囲でおこなってみましょう。
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自分の症状を医療従事者にうまく伝えるのは、なかなか難しいものです。たとえば痛みを伝える場合、痛みを感じる場所や痛みの種類(ズキズキ痛む、刺すように痛むなど)、強さの程度だけでなく、いつから感じている痛みか、そしてどのような場合に強くなるかなど、症状をより具体的に伝えることで、医療従事者はその原因を推測し、適した対処をより考えやすくなります。まずは、以下のツールを活用しながら現在あなたが抱えている症状を整理してみましょう。
今気になる症状についてシートにまとめる
副作用を記録する
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あなたのがん治療をサポートする医療スタッフは主治医だけではありません。看護師や薬剤師、栄養士、リハビリスタッフなどもチームのメンバーです。副作用のことを医師に相談しづらい場合は薬剤師や看護師、がん相談支援センターなど他のスタッフに相談してみましょう。外見の悩みについても相談にのってくれます。
がん治療に関わる医療スタッフを知る
がん治療中の外見変化に対する考え方や具体的な対処方法・工夫について知る
心のこと
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がんのことだけ考えていると、どんどん悪い方向に考えて不安が増幅してしまうことがあります。自分の気持ちを少しでも他の人に話すなどして自分の中だけで考えない、気分転換になるようなことをしてみるのがよいといわれています。また、心や身体の状態は毎日同じではなく、日々変化します。人と話したこと、経験したこと、その日の体調などがきっかけで、自分の気持ちのもち方、考えや価値観が変わることがあります。がん治療に求めることも変わっていくかもしれません。日々の生活の中で経験したこと、感じたことを書き留めてみることもおすすめです。
がん患者さんが陥りやすい思考、気持ちを楽にする方法を知る
日々の生活を記録する
コミュニケーション
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まずは、なぜ医師の説明があなたにとってわかりにくいのかを考えてみましょう。医師の使っていることばの意味がわからないのか、気持ちが落ち込んでいて医師の説明を聞いていても入ってきにくくなっているのか、いくつかの原因が考えられます。医師の使っていることばがわからない場合には、一度「患者さんと医師のコミュニケーションギャップ」を読んでみることをおすすめします。患者さんが知っていると思って医師が使ったことばでも、実際には患者さんが知らないこともあれば、違う意味としてとらえてしまうこともあり、医師と患者さんの間には認識のズレ「コミュニケーションギャップ」が生まれてしまうことがあります。
また、気持ちが落ち込んでいて頭に入ってきにくい場合には、ご家族やご友人など信頼できる方と一緒に説明を受けるのもいいでしょう。他にも、説明を聞きながらメモを取る、医師の許可を得て録音する、前回わからなかったことなどの質問を事前にまとめておく、がん相談支援センターに一度相談してみる、などもおすすめです。
コミュニケーションギャップが起こったときの対処法や、起こらないための対策について知る
患者さんが陥りやすい思考とその対策を知る
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周囲の全員に伝える必要はありません。ただ、長い治療期間になることもあるため、気が許せる友人や周りで手助けをしてくれる人、会社の上司や人事課には伝えておいた方がよいでしょう。その他の人には必ずしもがんという病名を伝える必要はなく、配慮してほしいことを伝えておくと治療中の周囲からのサポートが得やすくなります。
患者さんが陥りやすい思考とその対策を知る
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入院時など治療する中で、今まで通りできることやできないこと、手伝ってもらえばできることなどが出てきます。それらをまずは書き出すことで、自分の希望や気持ちを整理してみましょう。
周りの人にお願いしたいことや職場に伝えたいことを整理する
仕事
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がんと診断されたとき、治療のことはもとより仕事のこと、家族のことで悩み、不安になるのも無理はありません。ただ、強いショックを受けて、気持ちが混乱しているときに、仕事を辞めるなど大きな決断をするのは避けた方がいいでしょう。現在では、がんの治療と仕事を両立するための環境が整ってきています。働きながら治療する、少し休んでから復職する、負担の少ない仕事に転職するなど、仕事を続けるにしても選択肢はさまざまです。まずは自分の病状や治療を理解しつつ、信頼できる人とも相談しながら徐々に考えていきましょう。がん相談支援センターに相談してみることも有効です。
治療と仕事を両立していくために必要な情報を知る
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これから安心して治療を受けるために、また職場から適切なサポートを受けるために“伝えた方がよい”ケースもありますし、働き方や職場の環境によっては“伝えない”、というのも選択肢の一つです。伝える場合は、人事課などには病名を伝える必要がありますが、同僚には必ずしもがんという病名を伝える必要はありません。配慮してほしいことを伝えましょう。がん相談支援センターで相談することもできます。
職場に伝えたいことをまとめる、職場に提出するシートが欲しい
がん患者さんが陥りやすい思考、気持ちを楽にする方法を知る
お金
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がんの治療を経済的にサポートしてくれる、さまざまな制度があります。うまく活用することで安心して治療に向かうことができるようになりますので、あなたがどの制度を使うことができるのか、それぞれの制度を使える時期やポイントについても知っておきましょう。がん相談支援センターで相談することもできます。
がん治療を経済的にサポートしてくれる制度を知る
家事
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治療の影響で料理をするのがおっくうになったり、食欲がなくなったり、味覚が変化したり、治療する中で食事に悩む患者さんは少なくありません。便秘のとき、量があまり食べられないとき、味覚が変わってしまったとき、そんなときでも簡単に作れるレシピや調理の工夫について掲載しています。
食べやすく作りやすい簡単レシピを知る
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治療は予想以上に身体に負担がかかります。身体がつらくて動きたくないというときがあっても、家族にそれが伝わりづらい、という患者さんもいらっしゃいます。家事や症状のお悩み別に、楽に気持ちよく生活できる家事の工夫について掲載しています。家事は適度な運動や気分転換にもなりますので、工夫して無理のない範囲でやってみましょう。
家事の工夫について知る
家族
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日々患者さんを支える中で、家族も頑張りすぎてしまうことがあります。自分自身も大切にしながら、周囲につらいことや困っていることを話して、必要なサポートを求めていくことを忘れないようにしましょう。介護などのサポートは、医師や看護師の他、がん相談支援センターのスタッフに相談してみると役立つ情報が得られます。また、介護をしている方が一休みすることを目的とした、患者さんの入院「レスパイト入院」というサポートもあります。レスパイト入院を希望する場合は、まずは医療従事者に相談してみてください。
レスパイト入院について知る
相談先
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全国のがん診療連携拠点病院などには、「がんの相談窓口」である「がん相談支援センター」が設置されています。がん専門相談員としての研修を受けたスタッフが、信頼できる情報に基づいて、がんの治療や療養生活全般の質問や相談にのってくれますので、一度相談してみるとよいでしょう。がん相談支援センターにかぎらず、あらかじめ悩みを相談できる人や場所、連絡先を書き出しておくのもよいかもしれません。
がん相談支援センターについて知る
お近くのがん相談支援センターを検索する
悩みを相談できる人や場所、連絡先をリストアップする
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「自分と同じような立場の人に相談したい、話をきいてほしい」、「他の人はこんなときどうしているんだろう」といった思いがあるときは、患者サロンや患者会に参加してみてもいいかもしれません。患者会や患者サロンに関する基本的な情報は、インターネットや書籍で調べることができます。また、お住まいの近くのがん診療連携拠点病院のがん相談支援センターに問い合わせてみるのもよいでしょう。
患者会について知る
地域のがん情報(就労支援や助成金、患者会など)を知る
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当ウェブサイトには患者さんやご家族から寄せられた体験談を掲載しているページがあります。肺がん、前立腺がん、肝臓がんの患者さんの体験談やメッセージは別サイトにも掲載していますので、ぜひご覧ください。
他のがん患者さんの体験談、家族の体験談を読む
肺がん患者さんの体験談・メッセージを読む
前立腺がん患者さんの体験談・メッセージを読む
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- 監修
- 国立がん研究センター がん対策研究所
- 更新月
- 2024年4月