今とこれからがわかる、
がん治療ナビ

治療の見通しをもちながら、できることを一つひとつやっていきましょう。

治療に迷わないために

がんとわかったとき、驚いて頭が真っ白になった、今後の生活はどうなってしまうのだろうと心配になったなど、多くの方がショックと強い不安を感じます。決断を迫られることも多く、何から手をつければいいのか、これからどうすればいいのか迷ってしまうかもしれません。

ここでは、がん治療の全体像をつかんでいただくことができるよう、がんの疑いをもったときから検査、診断(告知)、治療、経過観察(フォローアップ)までの一連の流れを示しています。
クリックすると、その時にどのようなことをするのか、役に立つ情報とともにご覧いただけます。

今、そしてこれから先の治療の見通しをもちながら、できることを一つひとつやっていきましょう。

01

気になる症状がある
検診で「がんの疑いあり」

気になる症状がある 検診で「がんの疑いあり」

気になる症状がある場合、かかりつけ医に相談しましょう。検診でがんの疑いがあった場合には、適切な医療機関宛(がん診療拠点病院など)に紹介状を書いてもらいます。

  • 治療の場所とそれにかかわる
    人たち

    がん治療に関わる施設とそれぞれの医療スタッフの役割を知る。

02

がん診療連携
拠点病院などを受診

がん診療連携 拠点病院などを受診

紹介状を持って、がん診療連携拠点病院(がんを専門的に治療している病院)などを受診します。自宅の近くにない場合は、近隣のがん治療ができる病院で診察や検査を受けることになります。受診する前に、事前予約や紹介状が必要かどうかを施設に確認しましょう。
(がん情報サービスの「がん診療連携拠点病院などを探す」で、自宅から近いがん診療連携拠点病院を調べることができます。)

  • 治療の場所とそれにかかわる
    人たち

    がん治療に関わる施設とそれぞれの医療スタッフの役割を知る。

  • わかりやすく解説!
    治療費のサポート

    がん治療を経済的にサポートしてくれる制度を知る。

03

診察・検査

診察・検査

まずは担当医による問診と診察を受けます。問診では今の身体の状態や症状だけではなく、過去にかかった病気や家族の病気、生活習慣などについて質問があります。その後に血液検査、レントゲン(X線)検査、CT、MRIなど必要な画像検査をおこなって、より詳しく調べていきます。必要に応じて病変の一部を採取して、その細胞・組織を顕微鏡で観察する病理検査・病理診断がおこなわれ、最終的にがんかどうか診断することになります(確定診断)。

検査の結果が出るまで時間がかかることもあり、心配や不安な気持ちが強くなるかもしれませんが、なるべくリラックスして過ごしましょう。

04

診断(告知)

診断(告知)

担当医から検査結果について説明があります。がんと診断されたとき、ショックで担当医からの説明が頭に入ってこなかった、よく理解できなかったという人も少なくありません。ただ、あなたの身体と病気の状態について理解しておくことは、これから治療を進めていく上でとても大切なことです。よくわからないこと、理解できないことがあったら後からでも構いませんので医師や看護師などに質問して確認するとよいでしょう。

また、がんと診断されてショックを受けているとき、気持ちが混乱しているときには、「仕事を辞める」などの重大な決断をすることは避けたほうがいいでしょう。少しずつ気持ちが落ち着いてきたら、まずはご自分の病状について把握した上で、情報収集や周囲にも相談しながら考えてみることが大切です。

  • がん治療と就労

    今後の仕事をどうするか考えてみる。

  • 患者さんと医師の
    コミュニケーションギャップ

    医師とのやりとりですれ違いを防ぐ。

  • 情報を見極める力で
    患者力をアップしよう

    情報を見極める方法や、迷った時の相談先を知る。

05

治療選択・治療方針決定

治療選択・治療方針決定

担当医から治療法について説明があります。担当医はあなたの身体やがんの状態に合わせて最適と考えられる治療選択肢を紹介してくれますが、なぜその治療法がすすめられているのかを理解することが大切です。

また、あなたが治療において何を重視するのかを整理し、担当医などの医療従事者に言葉にして伝えていきましょう。できる治療はなんでも挑戦したい、こんな副作用の可能性がある治療は避けたい、できるだけ入院せずに外来で治療をしたい、3か月後の娘の結婚式に元気な姿で出席したいといった生活上での希望もあるかもしれません。一人で悩まずに、担当医や家族、がん相談支援センターのスタッフなど、周りの人とも話をしながらあなたの希望に合った、納得のいく治療法を選びましょう。

  • がんの治療

    がんの治療法について知る。

  • わかりやすく解説!
    治療費のサポート

    がん治療を経済的にサポートしてくれる制度を知る。

  • 治療のための
    お役立ちToDoリスト

    治療決定のためにやるべきことを知る。

  • わたしらしい
    がん治療ノート

    自分ががん治療に求めることを整理する。

06

がんの治療

がんの治療

治療法が決定したら、がんの治療が始まります。治療によっては入院して治療が始まることもありますので、困ったことやわからないこと、気になることがある場合は、主治医や他の医療従事者に相談しましょう。がんの治療と同時に、痛みや吐き気などの症状をやわらげる治療もおこないます。医療従事者はチームであなたのことを支えていきますので、つらい症状があっても我慢する必要はありません。小さなことでも早めに主治医や看護師などに伝えていきましょう。

治療中も、家庭や仕事、お金、今後のことなど心配事がたくさんあるかもしれません。治療に限らず、何か困ったことがある場合はがん相談支援センターに一度相談してみるのがおすすめです。医師や看護師さんなどにも聞いてみましょう。一人で抱え込まずに、周りの人を頼りながら一つひとつ解決していきましょう。

  • 国立がん研究センター がん情報サービス

    お近くのがん相談支援センターを検索する

  • 副作用に対する
    セルフケアを知る

    副作用の症状をコントロール。

  • その他の治療法
    「補完代替療法」

    サプリメントなどの補完代替療法について知る。

  • 情報を見極める力で
    患者力をアップしよう

    情報を見極める方法や、迷った時の相談先を知る。

  • 医療従事者に
    もっと伝わる伝え方

    医療従事者にもっと伝わる伝え方を知る。

  • わたしらしい
    がん治療ノート

    自分に最適ながん治療を実現するためにノートを活用する。

  • がん
    リハビリテーション

    体力の維持や回復について知る。

  • 緩和ケア

    緩和ケア、緩和ケア病棟について知る。

07

経過観察(フォローアップ)・療養

経過観察(フォローアップ)・療養

治療終了後もしばらくは定期通院しながら、体調の変化や再発がないかなど検査をして確認します。最近は入院期間が短くなっていることや治療に伴う副作用の対策が進歩してきたことで、自宅で療養する期間が長くなっています。療養生活を快適に過ごすためにも、療養生活の準備や日々の過ごし方について、前もってある程度見通しをもっておくのがおすすめです。

地域の病院や診療所、介護支援施設との連携など、あなたと家族を地域全体で支えるさまざまな仕組みがあります。主治医やがん相談支援センターとも相談しながら、療養の環境を整えていきましょう。