がん治療の副作用対策とセルフケア:
血栓塞栓症
血栓塞栓症とは、血管に血栓(血の塊)ができて血管をつまらせる疾患です。がん患者さんは血栓ができやすいことが知られていますが、ご自身ではわかりにくい副作用の一つかもしれません。ここでは血栓塞栓症の対策とセルフケアについてご紹介します。
血栓塞栓症の症状
むくみ(浮腫)や下肢の痛み、胸痛、息苦しさ、しびれなどの症状が起こることがあります。いつ頃からどのような症状があるのか、痛みや熱感、赤みを伴っているかを伝えましょう。
がん治療中に
血栓塞栓症が起こるしくみ
血栓(血の塊)ができ、血管がつまることがあります。原因はさまざまで、がんそのものが血栓を形成しやすい状態を作るともいわれていますし、抗がん剤による副作用の他、下痢や悪心で生じる脱水状態、寝たきりによる活動性の低下、婦人科や泌尿器科の手術後に起こるリンパ浮腫などによっても起こります。
- 投薬後、いつ頃に起こりやすいかは定まっていません。
血栓塞栓症の予防と対策
予防
- 日頃から水分をしっかり摂るようにしましょう。
対策
- 血液が固まることを防ぐ内服薬が使われることがあります。
指で圧迫した後
皮膚が戻らない、片足が急に
むくむのがポイント
ご自身ではわかりにくい副作用の一つかもしれません。気になる症状がある場合は、主治医に相談しましょう。
こんなときは相談を:
- むくみ(浮腫)や下肢の痛み、胸痛、しびれなどの症状がある。
- 監修
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- 国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科 科長 米盛 勧
- 国立がん研究センター中央病院 薬剤部 主任 宇田川 涼子
- 国立がん研究センター中央病院 副看護師長 がん薬物療法看護認定看護師 三浦 仁美
- 国立がん研究センター中央病院 栄養管理室長 土屋 勇人
- イラスト
- USANET
- 更新月
- 2023年3月