がんとの向き合いに関する体験談
※本サイトに掲載している体験談は個々の患者さんのご経験をインタビューした
内容に基づき作成しています。病状や経過、治療への向き合い方などはお一人おひとり異なります。
内容に基づき作成しています。病状や経過、治療への向き合い方などはお一人おひとり異なります。
5年生存率が上がった理由を聞き、再発への不安は和らいだ
診断時は5年生存率の数字に落ち込みましたが、その後インターネットで調べると、その数字が上がっていたので、希望につながりました。かなり数字が伸びていたので先生に聞いたところ、医療技術と薬の進歩だと説明されました。先生の説明を聞いて、再発への不安は以前より和らいでいます。
入院していた時に、栄養士さんから筋肉量を落とさないような食事指導を受けました。アルコールの1日に摂取制限量についても教わり、退院後の生活について書かれたパンフレットもいただいたので、参考にしています。現在は3ヶ月に1度の血液検査と、半年ごとのCT検査で経過を診ていただいています。検査のたびに再発していないかとドキドキしますし、何もなかったときは一人で祝杯をあげています。
※患者さんの名前は仮名です。
患者会に励まされた経験を活かし肝炎医療コーディネーターに志願
肝細胞がんは長くお付き合いする病気ですから、仲間がいることや情報発信がとても大事だと思っており、患者会の皆さんとの交流を続けています。不思議と、同じ「患者」というだけで、他愛ない話をするだけでも癒されるんですよね。患者会に励まされ、助けられてきたこともあり、肝炎や肝細胞がんと向き合ってきた経験を他の方のために役立てたい、と、行政が主導して取り組んでいる「肝炎医療コーディネーター」に志願しました。まだ活動できていませんが、私が受けてきた恩を次につなげていきたいと思っています。
再発については常に不安がありますが、先のことは敢えて調べないようにしています。先のことを考えすぎてしまうとしんどくなりますし、考えてもどうしようもないこともありますから。「ケ・セラ・セラ」、「なるようになるさ」、と気楽に考えるようにしています。食事や生活も厳しくしすぎるとかえってストレスを溜めてしまうと思うので、例えばアルコールは月に1回、週に1回くらいは0.5%のビールを楽しんだりと、用心しながらもうまく工夫しています。
再発については常に不安がありますが、先のことは敢えて調べないようにしています。先のことを考えすぎてしまうとしんどくなりますし、考えてもどうしようもないこともありますから。「ケ・セラ・セラ」、「なるようになるさ」、と気楽に考えるようにしています。食事や生活も厳しくしすぎるとかえってストレスを溜めてしまうと思うので、例えばアルコールは月に1回、週に1回くらいは0.5%のビールを楽しんだりと、用心しながらもうまく工夫しています。
Renn様
70代後半
同居家族:
妻、子供
治療歴
肝切除 / 焼灼
その他治療
同居家族 :
妻、子供
発症時年齢:
70代
現在の状態:
経過観察中
既往歴 :
尿毒症、うつ病、腹部大動脈瘤、心筋梗塞
※患者さんの名前は仮名です。
「がんと闘う方々に勇気を伝えたい」と思うように
闘病中は、同じ病気と向き合っていた若い女性のブログに励まされていました。残念ながらその方が亡くなってしまい、彼女の遺志を継ぐというのか、自分も「がんと闘う方々に勇気を伝えたい」と思うようになりました。治療が抗がん剤治療のみになったことを機に、トレーニングを本格的に再開、がんを公表し、目標にしていた大会に出場、勝利を収めることができました。友人たちも泣いて勝利を喜んでくれて、自分も嬉しかったです。
また、私のように若くしてがんになった方々が集まる患者会にも入りました。仲間が増え、同じように辛い経験をされた方と繋がることでも、勇気をもらえています。
現在は、抗がん剤治療も終え、3か月に1度、定期検診で経過観察しています。腫瘍の再発や転移はなく、落ち着いているものの、検査の度、「再発していたらどうしよう」という不安はあります。今の状況を受け止めながら、あまり先のことは考ないように過ごしています。
※患者さんの名前は仮名です。
同じ病気を経験した友人や患者会の方との交流が励みに
最初の入院のとき、がんを経験した友人が訪ねてきてくれて、「あなたなら大丈夫」と言ってもらえたことは嬉しかったです。同じ病気と向き合っている方からそう言われると、素直にそう思えますし、励みになりますよね。
母が亡くなる前に状態が悪化していく様子を見て、同じ病気だったので、自分と重ね合わせて1日1日を大事に過ごさなくてはとか、自分も同じようになったらどうして欲しいかなど考えました。母が他界した頃、気持ちは一番落ち込みましたが、息子へのケアも気になり、親の立場でがんになった方々のオンラインの患者会に参加してみました。そこで知り合った方から地元で活動している患者会を教えていただいたのですが、そちらではがん教育にも取り組んでおり、教員をしていた私にも何かできるかな、と思えました。患者会の方々が輝いて見え、病気のことばかり悶々と考えている時間がもったいないと感じるようになりました。将来への不安はありますが、新しいことにチャレンジすることで少し気持ちが切り替わったように感じます。
最後の治療からまもなく1年が経過します。「次の定期検査のMRIで悪化していませんように」、「治療が効いていますように」と願っています。現在体調は良好で、夫とウォーキングを楽しんだり、やりたいと思っていたけれど今までチャレンジできなかったパラグアイハープをオンラインで習いはじめました。先の目標を持つと楽しくなりますよね。いつか人前で演奏するのが目標です。
※患者さんの名前は仮名です。
抗がん剤治療を続け、仕事や趣味も体力が続く限り楽しむ
7つの小さい腫瘍の再発がわかったときに、「余命1年半」、と言われましたが、抗がん剤治療を1年続け、大きな副作用もなく普通に仕事や生活ができていることで、いまは希望がないわけじゃないが、なるようにしかならないと思っています。自分でもいろいろと調べながら、わからないことは先生に聞いて自分で考えて一つ一つ解決していっています。インターネット上にはさまざまな情報がありますが、仕事柄、情報の取捨選択、選別をして、良いと思うものを取り入れるようにしています。いずれ趣味のコンサートや山城歩きも体力が続く限り楽しみたいと思っています。
※患者さんの名前は仮名です。
がんになったことで生活習慣を見直した
私はもともと肝臓が弱いようで、家系には肝臓がんも多く、遺伝的な要因でがんになったのかなとも考えました。若い頃からお酒が好きで、毎晩一定量楽しんでいましたが、がんになったことで、命にかかわるならと生活習慣は見直しました。主治医からもお酒はやめたほうが良いと言われ、アルコールは徐々に控えノンアルコールに移行し、いまは断酒しています。脂肪肝傾向もあったため、それまではカロリーなど気にせず食べていましたが、こちらも見直しました。
※患者さんの名前は仮名です。
「がんと友達」のような感覚で、長く付き合っていく覚悟
TACEやRFAで度々入院した際に同室だった患者さんたちも、自分と同じような経過で治療をされている方々でした。長く肝細胞がんと向き合って何度も治療を経てこられているにもかかわらず、皆さん悲観的ではなかったことは、とても励みになりました。肝細胞がんになって、最初は驚き、次に希望、そして再発で落胆の繰り返しで、心が折れそうになることもありましたが、今はもう「がんと友達」のような感覚で、長く付き合っていく覚悟でいます。治療薬の開発は日進月歩ですから、治療ができる状況を保てれば、「必ずまた新しい治療法が出てくるだろう」との希望を持って日々を過ごしています。
※患者さんの名前は仮名です。