※本サイトに掲載している体験談は個々の患者さんのご経験をインタビューした

内容に基づき作成しています。病状や経過、治療への向き合い方などはお一人おひとり異なります。

S様のTACEに関する体験談

S様のTACEに関する体験談

TACE、薬物療法、その他の治療歴があるS様
TACE、薬物療法、その他の治療歴があるS様
S様
30代後半
同居家族:
妻、子供
治療歴
TACE 薬物療法
その他治療
同居家族:
妻、子供
性別   :
男性
発症時年齢:
30代
現在の年齢:
30代後半
現在の職業:
会社員(発症時:会社員)
現在の状態:
経過観察中
既往歴  :
なし
※患者さんの名前は仮名です。
肝がんヒストリー
S様 肝がんの病歴
S様
TACE
治療効果は一進一退、揺れ動く気持ち
TACE
下線が引いてある単語を選択すると、用語解説をご覧いただけます。
 手術で取るのが難しい場所にできた肝臓がんということで、先生から「工夫しながら治療していきましょう」と言われました。最初に提案された治療はTACE(肝動脈化学塞栓療法)です。詳しい説明もありましたが、わからないところを質問しづらかったので、後からインターネットで調べました。自分のペースで調べられたことで納得しながら理解を深めることができ、「私の状況を踏まえて、先生がTACEと言うならお任せしよう」と受け入れることができました。
 TACEの治療自体は、想像していたよりも短期間で済み、それほど苦痛も感じませんでした。しかし、効果は一進一退。腫瘍が小さくなったものもありましたが、変わらないものもありました。何度か治療を行って結果を聞くたびに複雑な気持ちに。「腫瘍が多くて手術が難しいということは、回復の見込みが低いのかな?」という不安もあったので、先生に「私、治りますか?」と聞いたこともあります。「場所が悪いので治療法を考えながらやっていかなくてはいけないけど、手遅れではない。決して諦める必要はないから、ネガティブな気持ちにだけはならないほうがいいよ」と言ってくださいました。それでも、まだ半信半疑というか、気持ちが完全に前を向くわけではなかったです。
国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科長 奥坂 拓志先生
先生からの一言
医師 奥坂先生
 TACEは腫瘍のできている場所や腫瘍の性格によって効果に差が出ることがよくあります。効果を事前に完全には予測することは難しく、治療を行ってみて初めてわかることもあります。治療効果が十分でなかった場合は、治療効果が高くなるよう工夫しながら、もう一度TACEを行うこともあります。肝臓がんには複数の治療方法があるので、TACEから別の治療に切り替えることもあります。
このように、次の手段によってよい効果が得られることもよくありますので、医師とよく相談しながら、前向きに治療を続けていただければと思います。